歯周病について
歯周病(歯槽膿漏)はどんな病気ですか?
歯周病(歯槽膿漏)とは細菌の固まりである歯垢によって引き起こされる病気です。歯の周囲にある歯肉や骨が細菌の毒素によって傷害を受け、そのダメージがどんどん蓄積されていきます。歯肉は赤く腫れ、歯を取り囲んでいる骨は徐々に溶けていってしまいます。長い期間かかって、だんだん悪くなっていく病気です。多くの人が20歳代で始まります。
どんな症状が出るのですか?
その初期では歯肉は赤くなったり、膨らんで丸みをおびてきます。歯を磨くと出血する場合もあります。しかし、痛み等の自覚症状はありません。びょうきが進 むと徐々に骨が溶けていきますが、相当進行しないと自覚症状は出てきません。骨の破壊が歯根の1/2から2/3程度まで進んでくると・・・
- 歯がぐらぐらする
- 歯 が浮いた感じがする・痛くて噛めない
- 歯肉が腫れてくる・血や膿が出る等の症状が出てきます。
またその進行とともに口臭もひどくなっていき対人関係に影響を及ぼす場合も出てきてしまいます。最後には痛くて、あるいはぐらぐらして噛めず、全く食事が出来なくなってしまいます。そのときには抜歯となります。
歯槽膿漏になりやすい体質ってあるの?
歯槽膿漏になりやすい体質というのは確かに有ります。しかし多くの歯槽膿漏の患者さんは体質のせいだけで発症したわけではありません。日ごろの歯のお手入れや、食生活、嗜好にも起因しているのです。
アメリカの調査では、タバコを吸っている人は、吸っていない人の3倍ほど、歯肉炎、歯槽膿漏にかかりやすく、それによって歯を無くしてしまう割合が2倍も高いという結果が報告されています。体質だからと諦めてしまわずに、日ごろの生活を見直してみてはいかがでしょうか。
どんな治療をするのですか
初期段階では、歯周病(歯槽膿漏)に効果のある歯磨き(ブラッシング)の方法をマスターしてもらうとともに歯石を取り除きます。歯周病(歯槽膿漏)では、歯と歯肉の間に ある歯周ポケットと呼ばれる溝の部分が病気が進むにつれて徐々に深くなっていきます。
前期の初期の治療だけでは完全によくならない場合は、そのポケットの歯根の表面を滑らかにしたり、ポケットを掻爬(そうは)していきます。これだけである程度進んだ歯周病(歯槽膿漏)も大分よくなっていきます。それでもダ メな場合は、まだ様々な処置がありますので、くれぐれも「抜くしかないだろうからもう少し放っておこう」などと勝手に自分で判断しないでください。救える場合も少なくありません。