ホーム>江東区 歯科ブログ>2009年8月

2009年8月

新型インフルエンザ対策にお口の清掃?

秋・冬までは小康状態かと思われていた新型インフルエンザが、又猛威を振るい出しています。
予防法はニュースでも連日報道していますのでご存知と思いますが、手洗い・うがい・マスク・不用意に人混みに近付かない・やむを得ない場合は咳エチケット等です。

もう一つ、当院から大事な予防法のアドバイス、それはお口の中を清潔に保つと言う事です。
「なんで?」と思う方がおられるかもしれません。
誤嚥性(ごえんせい)肺炎と言う病気をご存知ですか?
誤嚥とは、誤って気道に食物等が流入してしまう事で、いわゆるむせると言う状態です。
皆さんも思いがけず唾液が気道に入って咳き込んだご経験があると思います。
高齢者は喉付近の、飲み込む機能や反射活動の低下によって、この誤嚥が増えてきます。
この時お口の中が不潔だと、誤嚥した食物と共に細菌が気道から肺に進入し、その結果発症するのが「誤嚥性肺炎」です。
肺炎は高齢者の死因でも上位に位置し、肺炎の中でも誤嚥性肺炎がかなりの割合を占めています。

そして見逃せないのは、高齢者施設等で口腔ケアを徹底した結果、肺炎の発症をかなり抑える事ができたという事実です。
さらにお口の中をきれいにする事は、誤嚥性肺炎だけでなく、インフルエンザの予防にもかなりの効果がある事が分かってきました。

ご自分で出来る事は、正しい磨き方で丁寧なブラッシング、あとは歯科医院で歯のクリーニングをお勧めします。(人によって違いますが、1―3ヶ月に1度)

お口を清潔に保ってインフルエンザを予防しましょう!

良い歯科医院の見分け方とは・・・

よく色々な雑誌の特集等で、「良い歯科医院の見分け方」と言った記事を見かけます。
皆さんはいかがですか?

良い歯科医院とは、院長先生の優しさですか?スタッフの応対ですか?医院設備の清潔感?最新機器が揃っている事?夜遅くまでやっている事?日曜祝日もやっている事?治療期間が短い事?治療費が安い事?トイレがきれいな事?・・・などなど判断材料はたくさんあるでしょう。
しかしこれも以前にブログでご紹介した、「どの治療方法を選ぶかは、その人が持つ価値観によって決まる」と言う事と同じです。
つまり100人の患者さんがいれば、100通りの良い歯医者像があると言う事です。
ですからお友達のご紹介の場合、その人が何を根拠にその歯医者が良いと言っているのか、よく耳を傾けなければいけません。
もしかしたら、「あそこはいいわよー」の後に「すいてて殆ど待たないから」と言うかも知れませんよ。

あくまで私見ですが、雑誌の情報はあまり当てにならないという感じです。
実際に当院にも「○○ 円払えば大手出版会社発行の名医リストに載せる」と言う勧誘も来てますので。
又一人の患者さんの治療に、院長と勤務医がしょっちゅう変わる等もよくある苦情です。

信頼できる良い情報としては、近所の人達の大方の評判が良い、そしてその評判の内容が、先生が優しい、よく説明してくれる、治療が全般に上手、自費ばかりを勧めず、保険の選択肢も説明してくれると言った所でしょうか?
又お子様をお持ちのお母様方にとっては、子どもに優しい等も重要な条件でしょう。

ただし最後はご自分の価値観に照らし合わせての自己判断になりますので、人から紹介されて失敗しても、お友達を恨まないようにお願いします!

歯の抜けた場所を補う治療方法は・・・

歯の無い場所を補う治療法を欠損補綴と言います。
これには以下の3種類が代表的です。

  1. 義歯(入れ歯)
  2. ブリッジ
  3. インプラント(親知らず等、自分の歯の移植も含む)

1.は患者さん御自身が取り外せるタイプの物で、周りの歯を殆ど削らなくてすむ事が利点ですが、噛み心地や異物感の強さでは他の2つに比べ最も劣ります。
審美的(見た目)にも保険の場合は細い針金が見えますが、自費の義歯では針金が見えないタイプの義歯も作る事ができます。

2.は1本から3本程度の歯が無くなった時の治療法で、噛み心地や異物感は1.に比べ良好ですが、周囲の土台となる歯(支台歯)を削る事と、その歯に負担がかかることが欠点です。

3.は最近では歯が抜けた欠損を補う方法として大分スタンダードになってきました。
周囲の歯を削る必要も無く、噛み心地や異物感でも最も優れているでしょう。
長期安定性(いわゆる歯の持ち)にも優れ、条件がそろえば治療方法としては一番良いかも知れません。
ただ最大の欠点は保険が利かない事、当院では1本30万円かかります。
又外科的な処置を必要とするので、基礎疾患(心臓病・糖尿病・コントロールされていない高血圧症等)をお持ちの方には適応できません。さらに顎の骨の形でも制限される場合があります。

どの治療方法も一長一短。どれを選ぶかは優先順位をどうつけるか?又患者さん御自身がどのような判断基準をお持ちかによって決定されて行きます。

治療方法の選択は・・・

前回はインフォームド・チョイスのお話をしました。

つまり選択可能な治療方針が幾つかある場合、患者さんにはその選択権があると言う事です。
そしてそれを選ぶためには医者側もそれぞれの治療について十分な説明をする必要があります。

歯科の場合で言えば、治療した歯を白くするか・銀歯でよいか、親知らずを抜歯するか・しないか、歯の無い所に義歯を入れるか・ブリッジにするか・はたまたインプラントにするか、等等選択の機会は沢山あります。

ただどの治療方法にしても必ず長所と短所があります。
いいとこだらけの治療方法などはありません。

例えば保険がきく・きかない、歯を削る・削らない、治療期間が長い・短い、等、どの治療が良いかはそれら全てを考慮した上での総合判断となるのです。
ですからそこには患者さんそれぞれが持つ価値観によって判断基準が異なってくるのは当然です。
当院は患者さんの価値観を第一に考えています。

今後はこのブログ上で、代表的な治療についてご説明して行こうと思います。

もう10年以上前、私が数ある治療方針を説明していた時、ある男性の患者さんがため息混じりにこう言いました。
「能書きはいいから早く治療しろ。」 
トホホ

ページの先頭へ